看護師のサロン開業
夜勤やシフト勤務といった働き方に負担を感じ、自宅でできる仕事を模索する看護師の方は少なくありません。そうしたなかで、人と関わる仕事を続けながら、自分のペースで働ける選択肢のひとつが、サロンの開業です。
このページでは、看護師の経験を活かしたサロン開業について、向いている理由や開業のメリット・デメリット、始められるサロンの種類、そして開業までの流れをご紹介します。
看護師にサロン開業が向いている理由
医療の現場で日々多くの人と関わってきた看護師は、サロンを開業するうえで多くの強みを持っています。美容やリラクゼーションといった分野は一見、医療とは離れているように思われがちですが、実際には「体の悩みに寄り添う」という点で深くつながっています。
看護師として働いてきた方は、人体の構造や健康に関する知識をすでに備えています。たとえば、スキンケアや体調不良の原因への理解、安全性への配慮など、施術を行う際に必要とされる要素を自然と身につけているのです。
また、患者と向き合ってきた経験は、丁寧なカウンセリングや対応に自然と反映され、お客様の信頼にもつながります。こうした対応力や安心感は、初めてサロンを訪れる方にとって大きな魅力です。
さらに、競合の多いサロン業界では「看護師が運営するサロン」であることが一つの差別化ポイントにもなります。
サロン開業のメリット・デメリット
看護師がサロンを開業するメリット
看護師としての経験を活かしながら、より自由な働き方を目指したいと考える方にとって、サロンの開業は大きな可能性を秘めた選択肢です。ここでは、看護師がサロンオーナーになることで得られる主なメリットをご紹介します。
看護師の経験が差別化につながる
サロン業界は特別な資格がなくても始められるため、開業のハードルが低い一方で、競合が多いのも現実です。その中で「看護師資格を持つオーナーによる施術」という点は、お客様に安心感を与える大きな特徴になります。
たとえば、体の仕組みに基づいたアプローチや、安全性を考慮したサービスは、医療の現場で身につけた知識と経験があるからこそ提供できるものです。
働く時間と場所を自分で決められる
病院勤務では、夜勤や休日勤務が当たり前というケースも多く、働く時間に柔軟性を持たせるのが難しい場面もあります。自宅サロンやレンタルスペース、出張スタイルなど、サロンのかたちは自由度が高く、家事や育児と両立しやすい点も魅力です。
今の働き方を続けながら副業として始めることもできるため、徐々にステップを踏むことも可能です。
好きな分野で長く働き続けられる
美容やリラクゼーションに関心のある方にとって、サロン業は興味を持ち続けやすい分野です。好きなことを仕事にできることで、日々の学びも前向きに取り組めるようになります。
また、看護師としての知識をベースに、お客様一人ひとりに合った提案やサポートができるのも、大きなやりがいにつながります。
自分のペースで収入アップを目指せる
サロンの運営が軌道に乗れば、働き方と収入のバランスを自分で調整できるようになります。看護師の収入は安定しているとはいえ、働く時間や体力に見合わないと感じることもあるかもしれません。
サロンでは、自分の裁量でサービスや価格を設定できるため、成果がそのまま収入に反映されやすいという側面があります。
看護師がサロンを開業するデメリット
サロンを開業することには多くの魅力がありますが、その一方で知っておきたい注意点もあります。看護師としての働き方とは違う部分もあるので、始める前にしっかりイメージしておくことが大切です。
最初から安定した収入があるとは限らない
勤務していたときのように、決まった額が毎月振り込まれるわけではありません。売上は来客数やリピート率に左右されるため、開業直後は思うように収入が伸びないこともあります。
不安を感じる場合は、看護師の仕事を続けながら、副業としてサロンを始めるのもおすすめ。サロンの経営が軌道に乗り始めてから、本格的なサロン運営をスタートすると良いでしょう。
経営や集客の知識が必要になる
どれだけ看護師としての経験や技術が豊富でも、お客様が来なければサロンは続きません。自分のサロンを多くの人に知ってもらい、選ばれるようになるためには、ホームページやSNS、チラシなどを使って集客する必要があります。
また、施術だけでなく、予約や売上の管理、会計や確定申告なども自分で対応することになります。慣れるまでは覚えることも多く、時間がかかる場面もあるかもしれません。
医療とサロンではできることが違う
これまで美容クリニックなどで働いていた方にとっては、サロンでできる施術の範囲が思ったより限られていると感じるかもしれません。たとえば、医療用の脱毛機や注射、薬の処方などは、たとえ看護師でもサロンでは扱うことができません。
使用する機器も、あくまでエステサロン向けのものに限られます。開業の前には、提供したいメニューが法律上問題ないか、確認しておくことが大切です。
メニューによっては資格や講習が必要なことも
施術の内容によっては、美容師免許など別の資格が必要になる場合があります。たとえば、まつ毛エクステや眉の施術などは、美容師免許が必要です。脱毛機器などを使う場合は、販売元の講習を受けてからでないと扱えないこともあります。
また、資格が必要ないメニューでも、安心してサービスを提供するにはきちんと学んでおいたほうが安心です。
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おすすめのサロンの種類
リラクゼーションサロン
心や体の疲れを癒したいというニーズは年々高まっており、リラクゼーションサロンの需要も安定しています。サロンの内容によっては特別な資格が必要ないケースも多く、比較的始めやすいジャンルです。
お客様の不調や悩みを聞き取りながら、やさしく手を添えてケアをしていく仕事なので、看護師として身につけた接し方や共感力がそのまま活きてきます。施術を通して「この人に話すと楽になる」と思ってもらえるような存在になることも、やりがいのひとつです。
どんな施術を中心に行うかによって、サロンの雰囲気や運営スタイルはさまざまに広がります。
「リンパマッサージサロン」
リラクゼーションサロンのなかでも、看護師の方にとくにおすすめしたいのが、リンパマッサージやリンパドレナージュをメインとしたサロンです。身体の巡りや不調に寄り添う施術は、医療の現場で人と向き合ってきた経験とも相性がよく、お客様の安心感にもつながります。
リンパマッサージは、整体や指圧のように強い力を必要としないため、体力に不安がある方や長く続けられる仕事を探している方にも向いています。また、施術に使うのは主にオイルやタオルといった身近な道具なので、特別な機械を用意しなくても始められる点も魅力です。初期費用をおさえつつ、自宅の一室などでも無理なく開業できるため、現実的なスタートが切りやすい分野といえます。
ただし、安定した経営を続けるには、集客やリピートの仕組みづくりも大切です。開業前に技術をきちんと身につけ、接客や運営の知識も学んでおくことで、開業後の不安をぐっと減らすことができます。リンパマッサージを学べるスクールの中には、開業に関するサポートが充実しているところもありますので、そうしたスクールを選ぶのもひとつの方法です。
当サイトでは、技術と知識の両面からしっかり学べるリンパマッサージスクールをご紹介しています。興味のある方は、こちらもぜひ参考にしてみてください。
エステサロン・フェイシャルサロン
肌の悩みや年齢に合わせたケアに対応するエステサロンやフェイシャルサロンは、美容に関心のある方から根強い人気があります。とくにフェイシャルメニューは継続して通うお客様が多く、信頼関係を築きながらじっくり向き合える点が特徴です。
看護師として体や肌の状態を見てきた経験は、こうした美容の分野でも活かせる場面がたくさんあります。皮膚の状態を見極めたり、安全性を意識した対応ができたりと、お客様に安心して通ってもらえるポイントにつながります。
施術の内容によっては専用の機器やコスメを揃える必要もありますが、無理のない範囲からスタートし、徐々にメニューを広げていく方法も可能です。
脱毛サロン
脱毛サロンは、年齢や性別を問わず利用する人が増えている分野です。施術は機器を使って進めることが多く、比較的短時間で完了するため、効率よく運営しやすいというメリットもあります。
一方で、施術中の肌トラブルや刺激への配慮も欠かせません。そういった場面で、看護師として身につけた観察力や冷静な対応力が大きな助けになります。清潔な環境づくりや丁寧な説明など、医療現場での基本的な姿勢がそのまま信頼につながるのもポイントです。
脱毛機器にはある程度のコストがかかるため、事前に導入費用やメンテナンス面もふまえて検討しておくと安心です。
ネイルサロン
ネイルサロンは、自宅の一室などでも始めやすく、個人で開業する方も多いジャンルです。道具やスペースがそれほど大きく必要ないため、初期費用を抑えてスタートしたい方にも向いています。
手元のおしゃれを楽しむために通う方が多いですが、それだけでなく「気分転換したい」「誰かと話したい」といった気持ちで訪れる方も少なくありません。そうしたお客様に丁寧に寄り添う姿勢は、看護師として人と接してきた経験がしっかり活きる場面です。
爪の状態を見ながら施術することになるため、清潔さや衛生管理への意識も大切になります。細かい作業が中心となるため、技術習得にはある程度の練習期間が必要になりますが、基礎からしっかり学べば長く続けられる仕事になります。
ベビーマッサージ教室
赤ちゃんとその保護者に向けたベビーマッサージ教室は、看護師資格との相性がとても良いジャンルのひとつです。特に小児科や産婦人科での勤務経験がある方にとっては、これまでの経験を活かしながら活動できる場になります。
教室では、赤ちゃんの体調や発達段階に配慮しながらマッサージを行うため、解剖学や成長に関する知識が役立ちます。また、初めての育児に不安を感じている保護者の方に寄り添うことができるのも、看護師ならではの強みです。
教室を開くには、ベビーマッサージに関する民間資格を取得しておくと安心です。開催スタイルは自宅やレンタルスペース、訪問形式などさまざまで、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に始められます。
サロンを開業するときの流れ
サロンを始めたいと思ったとき、「まず何から準備すればいいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、看護師としての経験を活かしながら、無理なくサロン開業を目指すための基本的なステップをご紹介します。
1.サロンのイメージを固める
はじめに、自分がどんなサロンをやってみたいのか、イメージを描いてみましょう。どんな人に来てほしいか、どんな雰囲気にしたいかなど、ざっくりでも構いません。
ここで方向性を考えておくと、後の準備がスムーズになります。
「自宅でのんびりできる空間にしたい」「仕事や育児の合間に通えるサロンにしたい」など、自分のライフスタイルと照らし合わせながら考えることも大切です。
2.技術や知識を身につける
どんな施術を提供するにしても、基本的な技術や知識は欠かせません。未経験から始める場合や自信がない場合は、スクールで学ぶのがおすすめです。接客やサロン運営の基礎を含めて教えてくれるスクールもあるので、自分に合った学びの場を選びましょう。
また、看護師としての知識がすでにある方でも、施術に関する民間資格を取得しておくことで、お客様からの信頼につながります。スクール選びの際は、開業サポートや実技の指導内容などもあわせてチェックしておくと安心です。
3.開業スタイルを決める
サロンの開業には、大きく分けて「自宅サロン」「レンタルサロン」「テナント型」の3つの選択肢があります。
自宅サロンは、初期費用が抑えやすく、自分のペースで運営できる点が魅力です。家事や育児と両立したい方にも向いています。
レンタルサロンは、予約に合わせてスペースを借りるスタイルで、場所を固定せずに運営できるため、リスクを最小限に抑えたい方におすすめです。
テナント型は自由度が高く、本格的な空間づくりができる反面、初期費用やランニングコストはやや高めです。
ご自身の目指すスタイルや予算に合わせて、無理のない開業形態を選びましょう。
4.資金や必要なものを準備する
開業には、施術に使う備品や消耗品、広告費、スペースの整備費用など、さまざまな出費が発生します。サロンの規模やスタイルによって必要な金額は変わりますが、ざっくりと費用の見通しを立てておくと安心です。
自己資金だけで足りない場合は、創業支援の制度や金融機関の融資などを利用する選択肢もあります。
また、タオルや施術ベッドなど、施術内容に合わせた道具は早めにリストアップし、開業までに準備を進めておきましょう。
5.集客の準備を始める
どれだけ準備をしても、お客様に来てもらえなければサロンは続けられません。開業前から「どんなお客様に来てほしいか」「その人たちにどうやって知ってもらうか」を考えておくことが大切です。
SNS(InstagramやXなど)やホームページ、無料で作れるブログなどを活用して、自分のサロンの雰囲気やこだわりを少しずつ発信していきましょう。
開業後すぐにお客様に来てもらえるよう、早めに情報発信をスタートしておくとスムーズです。
6.開業の手続きを行う
いよいよ開業が近づいてきたら、必要な手続きを進めましょう。個人でサロンを始める場合、税務署への「開業届」の提出が基本となります。必要に応じて、青色申告の届け出なども検討しておくとよいでしょう。
施術の内容によっては保健所への届出や、美容師免許の必要なメニュー(まつ毛エクステなど)に関する確認も必要になります。地域やサービス内容によって必要な手続きが異なるため、事前にしっかり調べておくと安心です。
まとめ
サロン開業は、「もっと自分らしく働きたい」「人の役に立ちながら、自分の時間も大切にしたい」と考えている看護師の方にとって、新しい働き方のひとつです。医療の現場で培ってきた経験やコミュニケーション力は、美容やリラクゼーションの分野でもしっかり活かすことができます。
どのジャンルで開業するかによって必要な準備は変わりますが、まずは自分が興味を持てる分野を見つけることがスタートです。
なかでも、リンパマッサージサロンは体力面の負担が少なく、設備投資も抑えやすいことから、はじめての開業にも向いている選択肢といえるでしょう。


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